春期集中講座
*この2講座は連続して受講されることをお勧めします。ルネサンス・ポリフォニーの理解にグレゴリオ聖歌は欠かせません。もちろんどちらか1つだけの受講も可能です。2月と3月でそれぞれほぼ同内容で全くの初心者向けですが、講師が違うためその切り口は異なってきます。どちらかの月だけで構いませんが、両月の受講で基礎をしっかり身につけるということもできます。
☆両講座とも受講の場合受講料は各月とも2講座で8,000円(学生:5,000円)
ミサや聖務日課といったキリスト教の典礼のための音楽として、非常に長い歴史を持つグレゴリオ聖歌。旋律が記録されるようになってから既に1000年以上が経過しており、中世・ルネサンス期のポリフォニー(多声音楽)や、その後現代に至るまでの音楽や作曲家にも影響を与えている音楽です。この講座は、グレゴリオ聖歌が初めてという方向けの講座ですが、興味のある方ならどなたでも受講いただけます。また、通年講座「グレゴリオ聖歌入門」の導入ともなるでしょう。
15〜16世紀の音楽は、オリジナルの写本ではすべて計量記譜法によって記されています。現代の楽譜とは異なっていて、その解読はルネサンス音楽の理解に欠かせません。この集中講座では、計量記譜法の基礎から始めて、簡単なポリフォニーの楽曲を大判楽譜「クワイヤブック」を使って歌うまでを目指します。合唱の心得がある方なら、どなたでも受講できます。
12世紀から14世紀の中世時代のフランスで歌がどのように歌われ発展していったかを時代を追って紹介していきます。北フランスのトゥルヴェール、またその起源となった南フランスのトゥルバドゥールのお話や歴史的背景も交えながら、その時代の恋愛歌曲の変遷をたどります。美しい写本を見ながら歌ってみましょう。歌の経験のある方で中世音楽が大好き、または中世に興味はあるけれども初めてという方もどうぞ。通年講座「中世の音楽を歌う」への導入編でもありますが、この講座のみの受講も可能です。
多くの聖歌を覚えるのに修道士たちはかつて口伝に頼っていました。しかしその能率の悪さに問題を感じた音楽教育担当者グイード・ダレッツォは、一つの賛歌を覚えることを提案しました。これが元祖「ドレミの歌」で、これを覚えるとドレミファソラという「六つ」の音階を把握でき、聖歌を正確に自力で歌えるようになるというのです。この音階には「シ」がありませんでした。それでもデュファイやジョスカンやはもちろん、モンテヴェルディやバッハもこの六音階名で歌っていました。六音階名唱ソルミゼーションを身につけて古楽のレパートリーを歌い直してみると、当時の人たちがどのように一つ一つの旋律を解釈していたのかが分かり、古楽の旋律の美しさや楽しさを再発見できます。
秋期集中講座
☆ソルミゼーション春秋両講座(S1+2)受講の場合の受講料
全6回 25,000円(学生:16,000円)
第2回 2020年11月29日(日) 15:00~17:00
第3回 2020年12月13日(日) 15:00~17:00 配信方法:Zoomミーティング
受講料:10,000円 学生7,000円
音階や旋法についての理論は、修道院という音楽実践の現場で、修道士たちが自分たちが既に覚えている聖歌の調べを分類するために生まれました。「6音階名唱」はこうした聖歌の基本音階を把握するために考案されましたが、やがて、ポリフォニーの音楽の旋律的特徴・旋法を理解するための重要なツールになりました。さらにルネサンス期にこの旋法理論はポリフォニーの旋律を作曲するための指針となりました。 この講座では、グレゴリオ聖歌とルネサンスの旋法理論を確認し、その音楽的意味・演奏解釈へのヒントを探ります。今年度の初級の続きとして開講しますが、初級を受けていない方も受講も可能です。
入門講座(通年)
☆入門講座両方受講される場合(Gn+Rn)受講料
2講座で50,000円(学生:30,000円)
4月18日 5月9日 6月13日 7月4日
9月5日 10月3日 10月31日 11月28日
2021年1月9日 2月6日 発表会: 2月11日30,000円
(学生:20,000円)
グレゴリオ聖歌は初めてという方、興味はあるけれど学んだことは無いという方、など初心者のための講座です。「グレゴリオ聖歌」と一口に言っても、典礼中の場面によって様々な種類の聖歌があります。前期(初め4回)では、比較的シンプルで歌いやすい「アンティフォナ」や、ミサ通常唱と呼ばれる「キリエ」「グロリア」「クレド」「サンクトゥス」「アニュス・デイ」、などを扱います。それらの聖歌を少しずつ歌いながら、「教会旋法」についても解説し、聖歌の旋律と教会旋法がどのように関わっているのか、理解を深めていきます。後期(後6回)では、2月の発表会で歌う聖歌を中心に扱います。後期は特に、10~11世紀頃にスイスのザンクト・ガレン修道院で書かれたグレゴリオ聖歌の楽譜、および「ネウマ」と呼ばれる記譜法についても理解を深めながら、聖歌の演奏法を学びます。
4月18日 5月9日 6月13日 7月4日
9月5日 10月3日 10月31日 11月28日
2021年1月9日 2月6日 発表会: 2月11日30,000円
(学生:20,000円)
ルネサンス音楽を、当時の楽譜で使われていた白色計量記譜法で歌う、初心者のための入門講座です。合唱団などでルネサンスの音楽は歌ったことはあるが、オリジナルの楽譜は使ったことのない方、古い音楽のア・カペラのアンサンブルは初めての方など歓迎です。教材としてジョスカン・デ・プレJosquin des Prez(ca.1450/55?-1521)のモテット「めでたし海の星」“Ave maris stella” を扱い、必要に応じて短い二重唱やカノンなども取り入れながら、楽しく白色計量記譜法の音楽に親しんでいきます。ルネサンス・ポリフォニーの歌いまわしは、グレゴリオ聖歌の歌いまわしを勉強することでより理解が深まりますので、グレゴリオ聖歌入門(Gn)を併せて受講されることをお勧めします。歌唱・合唱などの経験のある方ならどなたでも受講できます。
歌唱実践講座(通年)
3月28日 5月9日 6月13日 7月4日
9月5日 10月3日 11月7日 12月5日
2021年1月16日 1月30日 発表会: 2月11日35,000円
(学生:22,000円)
今年度は教会暦に沿って主な大祝日のミサ固有唱を練習します。クリスマス、復活祭、聖霊降臨などのよく知られた聖歌と共に、現代ではあまり歌われなくなった続唱Sequentiaも取り上げます。折に触れて通常唱も加えてミサの流れで通して歌う、ということもしていく予定です。入門講座を終えた方が対象ですが、少しだけかじったことがある、といった方も歓迎します。
4月19日 5月10日 6月21日 7月19日
8月9日 9月13日 10月4日
2021年1月31日 2月7日 発表会: 2月11日一般:41,000円
学生:29,000円
今年も9回にわたって中世音楽、特に12世紀から14世紀までの北フランスの吟遊詩人のシャンソンの発展を学びます。当時の吟遊詩人たちの思いを心に抱きながら、多声作品をオリジナルの写本をもとに歌いましょう。その後に続くブルゴーニュ楽派やフランドル楽派へのルーツを理解することもできます。中世の歌が好きな方にお勧めです。また、ハープ、打楽器、弦楽器などの楽器の持ち込みも歓迎です。入門講座を受けられなかった方も受講できます。
練習予定曲:
トゥルヴェール歌曲、アルス・アンティクワ(モンペリエ写本)、アルス・ノーヴァ(レスキュレルやマショー)など
3月28日 5月9日 6月13日 7月4日
9月5日 10月3日 11月7日 12月5日
2021年1月16日 1月30日 発表会: 2月11日 45,000円
学生:32,000円
2021年はルネサンス・フランドルの巨匠ジョスカン・デ・プレJosquin des Prez(ca.1450/55?-1521)没後500年を記念します。この講座は1年後ジョスカン・イヤーの発表会目指して、ジョスカンの聖母ミサ Missa de beata virgine を学びます。主にキリエとグロリア、さらに余裕があればサンクトゥス、アニュス・デイにも進めればと思います。計量記譜法によるクワイヤブックを用い、少人数による美しいアンサンブル演奏の実現を目指します。記譜法の基本を習得された方が対象ですが初めての方で、受講ご希望の方は、春期講習をあらかじめ受講されるか、あるいは事前個人レッスンをお申し込みください。
4月18日 5月23日 6月20日 7月18日
8月1日 10月17日 11月28日 12月12日
2021年1月23日 2月6日 発表会: 2月11日 一般:45,000円
学生:32,000円
15世紀フランドル出身の音楽家たちはいろいろな形態のカノンなどを駆使して、対位法的に複雑な作りの多声音楽ポリフォニー楽曲を作り上げました。しかしながら巨匠による作品はそのような複雑さを全く感じさせないほど自然で美しい音楽となるのが不思議です。なかでもジャン・ド(あるいはヨハンネス)・オケゲム Jean de Ockeghem(ca. 1425頃 - 1497) はその筆頭で、続く作曲家たちの模範ともなりました。この講座ではオケゲムのミサ・プロラツィオーヌム Missa Prolationum を教材としてその構造を学び、さらに美しく歌えるように練習していきます。知的な理解を深めながらルネサンス音楽の緻密なアンサンブルを目指します。継続2年目の講座で、昨年のキリエとグロリアに続き、今年度はクレド以降に取り組みます。今年度から参加ご希望の方はご相談ください。
火曜日:4月14日 5月12日 6月16日 7月14日 8月4日
金曜日:4月24日 5月29日 6月19日 7月3日 8月7日
1回50分のレッスンです。2020年前期で5回のレッスンを行い、継続しての受講ご希望の場合は後期の受付を行います。後期日程は追ってご相談します。 受講料(全5回/一人につき)
個人 40,000円、2人 35,000円、
3人 30,000円
歌を歌う人にとって発声の悩みはつきものです。この講座ではヴォーカル・アンサンブル カペラをはじめとして、複数の声楽アンサンブルでカウンターテナーからバスの音域まで使って演奏活動を行なっている講師が、声のお悩みの原因を「呼吸」「声帯の動き」「共鳴」の三つの要素から細かく探ります。全5回の個人レッスンで、やわらかくも芯のある、合唱やアンサンブルに適した発声を探していきましょう。また、共鳴腔を自在に扱い、様々な音色の声を出せるようにトレーニングを積みましょう。お一人でのご受講は充実したボイストレーニングを行えますし、数名のグループでのご受講は音色面を中心にアプローチし、周りの人と声が「合う」ということを強く実感できるよう進めていきます。
4月18日 5月23日 6月20日 7月18日 8月1日 10月17日 11月28日 12月12日 2020年1月23日 2月6日 25,000円
学生:18,000円
2021年に没後500年を迎えるフランドルの巨匠ジョスカン・デ・プレJosquin des Prez (ca.1450/55?-1521) の生涯をたどりながら、その全作品を学ぶ講義の2年目です。ジョスカン最盛期の傑作の数々が登場します。ヴォーカル・アンサンブル カペラはジョスカンの宗教作品の大部分をこれまでに演奏してきていますが、その録音なども聴きながら、オリジナルの写本を参照し、また歌詞を読み解いて、各曲の面白さ、聞きどころ、作品の背景などを解説していきます。毎回必要な資料を配付します。
受講料
回ごと 4,000円(学生:2,800円) 全6回通し 20,000円(学生:14,000円)
NHK FM「古楽の楽しみ」でおなじみの関根先生が、西洋音楽史のなかでもとりわけ特徴的な「フランス・バロック音楽」の魅力あふれる世界について、フランス音楽界の旬な話題なども織り交ぜながらお話する楽しい連続講座です! 本年度はフランス・バロックを代表する作曲家の一人、マルカントワーヌ・シャルパンティエ Marc-Antoine Charpentier (1643-1704) に焦点をあて、その生涯をたどりながらさまざまな作品について学びます。映像を見たり音源を聴いたりしながら、その魅力に迫ります。きっと知られざる名曲に出会えますよ!
4月 イタリア留学
フランスでは珍しいミサ曲やオラトリオ
5月 モリエールと劇音楽
リュリと仲違いしたモリエール 劇のための音楽
7月 ギーズ家
由緒ある貴族 マレ地区の館での音楽会
9月 王太子
ルイ14世の長男 宮廷との関係 礼拝音楽 牧歌劇
10月 修道院と教会
イエズス会の教会 サント=シャペル 大規模な宗教音楽 オラトリオ
11月 オルレアン公フィリップ2世
ルイ14世の甥にして後の摂政 イタリア音楽愛好家 パレ・ロワイヤル
オペラ「メデ」 テ・デウム
☆昨年までと異なり、開始時間が17:00に変更になっていますのでご注意ください!
ルネサンス音楽の理解と演奏に欠かせない計量記譜法について、その理論を学びながら様々な作品を歌っていくワークショップの3年目です。Karin Paulsmeier 著 Notationskunde 15. und 16. Jahrhundertに即して進めますが、今年はいよいよ最後の部分、16世紀後半におこった記譜法の変容について学び、完結します。必ずしもこのドイツ語の著書を読む必要はありません。本をお持ちでない方も参加できるよう、毎回楽譜と資料を配付します。本は Amazonで約9,500円、古楽院での購入ご希望の方はお申し出ください。日程連絡等のため受講登録をして頂き、その上で参加した各回ごとの精算となります。年度の途中からの参加も可能です。
費用
入会金
受講にあたり入会金3,000円を申し受けます
※東京、関西いずれかで初年度一のみ。その後、別の講座を受講する際に再度お支払いいただく必要はありません。
受講料
4回までの分割納入も可能です(詳細はお問い合わせください)
複数受講の割引制度
セット割
通年の歌唱実践講座(G, M, R1, R2)を複数受講される場合は2講座目から学生料金で受講できます!
夫婦割引
通年の歌唱実践講座に限らず、どの講座でもお二人合わせて、一般料金+学生料金で受講できます!(さらに複数受講の場合は残りはすべて学生料金で!)
歌唱実践講座では
●日本を代表するルネサンス音楽スペシャリスト花井哲郎やヴォーカル・アンサンブル カペラのメンバーによる指導を直に受けられます!
●各講座は毎月1回連続して行われ、継続的に、着実に学んでいけます
●2021年2月の発表会は、いろいろな講座、アンサンブル、合唱団などが一堂に会し、楽しく賑やかに行われます!
どれを受講すればいいか迷った場合
◆ 古楽院は初めてで、とりあえず少しだけかじってみたい!⇒春期集中講座がお手軽。
◆ グレゴリオ聖歌もルネサンス音楽もまだ全然よくわかってないけど、本格的に取り組んでみたい⇒入門講座で基礎を学びましょう
◆ 計量記譜法は初めてだけど、ぜひ通年講座で歌いたい!⇒春期集中講座も併せて受講!
※春期講座に出られない方はご相談ください
◆ 古楽院は初めてじゃないけど、もう一度基礎からやり直したい⇒入門講座で復習しましょう
◆ あまり歌ったことがなく、声に自信がない…⇒まずは発声講座!
◆ 歌わないけど音楽の勉強はしたい!⇒音楽史講義でじっくり学びましょう
◆ 音楽も好きだけど、おいしいワインも飲んで楽しみたい(*^_^*)⇒講座「フランス・バロック・オペラを極める
夏期合宿
8月8日(土)14:00集合 ~ 10日(月・祝)15:00解散
受講料 20,000円
食事・宿泊費 実費(2泊3日で約20,000円)
長野県原村の静かで美しい森の中にある、響きの良い木造の教会(八ヶ岳中央高原キリスト教会)で、グレゴリオ聖歌とルネサンスのポリフォニーを学び歌う3日間の合宿を行います。都会の喧噪を離れ、じっくりと音楽と向かい合います。今年は単旋律聖歌のほかにジョスカン・デ・プレの美しい聖母モテットを練習します。主に「救い主の母・めでたし天の元后」"Alma Redemptoris/Ave Regina”を取り上げる予定ですが、リクエストして頂くこともできます。1日の講習の最後はグレゴリオ聖歌の「終課」を歌ってしめくくります。宿泊は教会近くのペンションで、夜の懇親会では受講生と講師も交えて楽しい親睦の時を持ちます。宿泊は2人部屋か3人部屋ですが、ご希望の方には割増料金にて個室も用意できます。
8月1日(土)16:30-19:00に合宿で扱う曲の事前練習を行います。合宿参加に必須ではありませんが、ご都合のつく方は是非ご参加ください。(受講料4,000円)
古楽院講座とは別に花井哲郎による音楽家のための講座があります。音楽大学学生、卒業生あるいは古楽に関心のある音楽家の方で、興味のある方は古楽院までお問い合わせください。
計歌会
古楽演奏家、あるいは古楽に関心のある音楽家のための講座です。ルネサンス時代のさまざまな音楽を計量記譜の楽譜で歌っています。
FF古楽道場
主に音楽大学声楽科学生、あるいは卒業して間もない若手音楽家のための講座です。グレゴリオ聖歌を学び、ルネサンス時代のさまざまな音楽を計量記譜の楽譜で歌っています。
申し込みにあたっては、下の申込必要事項を古楽院(kogakuin@fonsfloris.com)宛てにお送りいただくか、申し込みフォームにてお申し込みください。
申し込みフォーム(外部サービスのフォームズへ移動します)
https://ws.formzu.net/dist/S38135258/
折り返し申込受付の確認と、受講料の支払方法など詳細をご連絡いたします。
定員に達し次第、募集を締め切らせて頂きます。
1. 申込日
2. お名前、ご住所、電話番号、メールアドレス
3. 古楽院受講は(初めて/過去に受講経験あり)
4. 受講希望講座、講義名
※「初めてのグレゴリオ聖歌」「初めてのルネサンス音楽」は希望月をお書きください
※「ルネサンス音楽(春期、入門、1、2)」はパート名も
※発声講座を受講される方は希望の曜日と時間帯をお書きください。
※特別ワークショップ「計量記譜法の理論と実践」は、テキスト購入希望の場合は、その旨をお書きください。
※夏期合宿の事前練習を希望される方、個室を希望される方はお書きください。
5. 備考
・初めて受講される方は、音楽歴をお書きください。
・発声講座グループ受講の方はメンバーの氏名をお書きください