
対面:東京
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ML 中世の宗教歌「ラウダ」を歌う
12~13世紀は単旋律歌謡の宝庫です。トルバドゥールやトルヴェールなどの宮廷文化とは別に宗教歌曲も豊かで、それらは聖堂の外で歌われていました。そのなかにラウダというイタリア音楽のジャンルがあります。同時代のスペインのカンティーガスとは異なり口頭伝承で長く歌われ、広範囲に伝承され愛されていました。それはみずからを「神のジョングルール」と呼んだアッシジの聖フランシスコの精神から発し、信徒たちの宗教活動とともに広まります。残された2つの楽譜写本によって私たちはこの音楽に接することができます。そしてそれは現代の私達をも潤すものです。このラウダを座標軸としてここから放射線状に広げることによって中世音楽史を様々な側面からみていきましょう。アンブロシウス聖歌、シトー会聖歌、同時代のイムヌスやセクエンツィアなどラウダとの平行現象と言える様々な歌も一緒に勉強することによって音楽史全体の脈絡におけるラウダという民衆的賛歌の魅力を味わいましょう。
講座概要
発表会2/11(水・祝)
全9回と発表会(対面)31,500円【コードML①】
初回トライアル(対面)3,500円(継続の場合は差額で受講可能)【コードML-1①】
オンライン
全9回(オンライン)28,000円【コードML②】
初回トライアル(オンライン)3,500円(継続の場合は差額で受講可能)【コードML-1②】
各回のテーマ
第1回(5/11) 序論―人間にとって歌とは何か
第2回(6/8) イタリア音楽史の出発点-アンブロジウス聖歌
第3回(7/13) 民衆宗教運動とラウダ
第4回(9/14) 中世マリア賛歌の諸相
第5回(10/12) フランシスコ会とラウダ
第6回(11/9) 13世紀の聖人崇敬とラウダ―乙女殉教者カタリナ、パドヴァのアントニオ他
第7回(12/14) ラウダの平行現象としての典礼音楽-セクエンツィアなど
第8回(1/11) 中世典礼劇の萌芽としてのラウダ―ラウダにおけるドラマツルギー
第9回(2/8) 発表会にむけてまとめの練習
講師プロフィール

杉本ゆり(すぎもと・ゆり)
武蔵野音楽大学音楽学学科卒業。中世ルネサンス音楽史専攻。聖グレゴリオの家・宗教音楽研究所勤務。2005年にLaudesi Tokyoを結成して、中世スペイン、イタリア音楽中心に演奏活動を開始。音楽監督と指揮を務める。「ラウダの世界」(2008年)、「Stella splendens」(2009年),「13世紀音楽の諸相」(2010年)が好評を得る。2011年、スペイン大使館の後援を得て「O lux et decus Hispanie」を開催し、12世紀のカリクティヌス写本を日本初演した。2014年、上智大学神学部、同大学キリスト教文化研究所、ノードルダム・ド・ヴィ共催で「音楽による黙想ー16世紀カルメル会の霊性と音楽」講演の講演と指揮・監修を務める。また、ミュンヘン、フリブールのフランシスコ会修道院に滞在し、13世紀のフランシスカン写本についての論文を聖グレゴリオの家・研究論集、および東京フランシスカン研究所発行の『フランシスカン研究、3』に発表。2016年度より立教大学「キリスト教霊性と文化」の兼任講師を務める。同大学教会音楽研究所主催のレクチャ―コンサートに出演。現在に至る。
主な論文に「コルトナ・ラウダ概論」、「アシジの聖フランシスコ祝日聖務日課について」「ユリアヌスの詩と音楽」、明石書房刊行「スペインのガリシアを知るための50章」に『中世ガリシア音楽の遺産』を寄稿。共著に「吟遊詩人マルティン・コダックスー7つのカンティーガス」「カンティーガス・デ・サンタ・マリアへの誘い」(いずれも論創社)がある。
受講方法
※本講座は、会場での対面受講に加え、Web会議システム「Zoom(ズーム)」でのオンライン受講も可能です。
※オンライン受講は、発表会への参加はありません。
※講座の録画を受講者に配信いたしますので、当日欠席された場合でも後日視聴が可能です。
※お申し込み受付後、受講方法や資料に関するご案内メールをお送りします。
お申し込み後1週間以上経ってもメールが届かない場合は、お手数ですが事務局までお問い合わせください。