IH思想史講座「中世から近代までの自然と人間」につきましては、誠に勝手ながら諸般の事情により中止させていただくこととなりました。講座を楽しみにしていただいていた皆様には、大変申し訳ございません。何卒ご理解とご了承を賜りますようお願い申し上げます。なお、すでにお申し込みをいただいている方には、返金手続きのご案内をメールでお送りしておりますので、ご確認をお願いいたします。
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IH 思想史講座「中世から近代までの自然と人間」
「四大」や「月下界」、「天使」や「一角獣」。中世やルネサンス、バロックといった近代以前の世界に生きた音楽家と鑑賞者たちは、われわれ現代人とは大きく異なる自然観や人間観をもっていました。こうした自然観や人間観は、じつは古楽やクラシック音楽のそこかしこに反映されています。本講座では、当時の美しい図像や版画を多くもちいて、伝統的な自然観や人間観を理解するために不可欠な基礎知識を総合的に学びます。皆さんが普段からお持ちの素朴な疑問に応える時間も十分にとる予定です。
※お好きな回のみをお申し込みいただくことも可能です。
講座概要
※講座は中止となりました。
各回 3,500円
各回のテーマ
第1回(7/3)奇跡と驚異、自然からの逸脱
自然界の通常の働きから「逸脱」する領域にあるのものが、奇跡であり、「驚異」(ミラビリア)と呼ばれるさまざまな現象です。こうした現象は人々を驚かし、畏怖・感動させるだけではなく、ときに音楽家や芸術家に大きな霊感を与えてきました。本講座の第一回では、伝統的な自然観・人間観をもとにして、キリスト教との関係なども絡めつつ、「奇跡」や「驚異」の意味と位置づけを概観します
第2回(7/17)夜空の星々と占星術
ルネサンス期の天文学者コペルニクスが提唱した地動説によって人々の見方は大きく変わったかに想像されがちですが、星々についての伝統的な考えは中世からバロックの時代、その先にまでしっかりと息づいていました。「四大」とも呼ばれる四元素(火・気・水・土)から、天界における聖者や天使の座まで、古代ギリシアの思想とキリスト教の融合が生みだした自然界についての考えを分かりやすく一望します。こうした考えのもとに「占星術」の役割に踏みこんでいく予定です。
第3回(7/31)自然と人間、そして魔術・錬金術
人間をとりまく「大宇宙」(マクロコスモス)にたいして、人間そのものは宇宙の似像でもある「小宇宙」(ミクロコスモス)だと考えられていました。宇宙がその内側に反映されていると考えられた人間の成立ちと外界との結びつきには、「精気」(スピリトゥス)が重要な役割を担っていました。精神や身体の活動から芸術的・宗教的な体験まで、精気はさまざまな場面に立ち現れます。本講座の第三回では、精気と自然や人間の結びつきから、音楽との関係なども絡めつつ、さらには魔術や錬金術の関係にも踏みこんでみたいと思います。
講師プロフィール
ヒロ・ヒライ
ルネサンス学・科学思想史。学術ウェブサイト bibliotheca hermetica(略称BH)主宰。コロンビア大学・科学と社会研究所リサーチ・アソシエイト。英仏伊語による共編著・論文多数。Early Science & Medicine 誌・学術顧問、勁草書房BH叢書・編集主幹。邦語の編著に『ミクロコスモス』(月曜社、2010年)、『知のミクロコスモス』(中央公論新社、2014年)、『ルネサンス・バロックのブックガイド』(工作舎、2019年)、翻訳にプリンチーペ著『錬金術の秘密』(勁草書房、2018年)など。第九回日本学術振興会賞受賞(2012年)。
受講方法
※この講座は、Web会議システム Zoom(ズーム)を使ってオンラインで開催いたします。受講にはインターネット通信環境とパソコン(マイクとカメラ使用)あるいはスマホやタブレット(Wi-Fi推奨)が必要です。資料を示しますので大きめの画面が望ましいです。なおZoom講座は録画して受講者に配信いたしますので、当日欠席されても後日ご覧いただくことができます。
※お申し込み受付後、受講方法、資料などを記載したメールをお送りいたします。お申し込み後2日以上たってもメールが届かない場合は、恐れ入りますが事務局までお問合せください。