MhB 音楽史講座B「スターバト・マーテル 〜 悲しみの聖母の諸相」

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MhB 音楽史講座B
「スターバト・マーテル
〜 悲しみの聖母の諸相」

十字架の元にたたずみ、神の御子であるわが子の苦しみと死を見つめる聖母マリアに深く共感し、その嘆き苦しみを共にしようというとする者の祈りの歌、スターバト・マーテルは、感動的な音楽をいくつも生みだしてきました。そのラテン語の歌詞を詳しく学び、原点にあるグレゴリオ聖歌、ルネサンス時代のジョスカン・デ・プレによる5声のモテット、そしてイタリアのバロック時代の作品4曲を2人の講師がリレーして解説します。最終回は特に有名なペルゴレージの作品について講師二人が対面講座で実際に音を出しながら、その魅力について語り合います。中世・ルネサンス編かイタリア・バロック編どちらか一方のみの受講も可能です。

講座概要

講座名
MhB 音楽史講座B「スターバト・マーテル 〜 悲しみの聖母の諸相」
受講方法
オンライン ※第6回のみ対面・オンラインの併用
回数
全6回
講師
花井哲郎・福島康晴
曜日・時間
水曜 19:00-21:00
日程
第1期:中世・ルネサンス編 10/1 10/22
第2期:イタリア・バロック編 11/12 12/10 2026/1/21 2/4
対面講座会場
フォンス・フローリス古楽院(東急東横線 祐天寺駅より 徒歩8分)
受講料(税込)
全6回 20,000円【コードMhB】
第1期のみ 7,000円【コードMhB-1】
第2期のみ 14,000円【コードMhB-2】
アーカイブ動画
あり 視聴期間2026年3月31日まで

各回のテーマと内容

第1回(10/1) 歌詞解説とグレゴリオ聖歌(花井)
6回にわたって味わうスターバト・マーテルの基本ということで、まずはラテン語の歌詞を詳しく読み解き、その典礼的背景を学びます。そしてグレゴリオ聖歌を聴きながら一つ一つの言葉を噛みしめたいと思います。

第2回(10/22) ジョスカン・デ・プレ(花井)
ルネサンス時代の多数作曲されたモテットの中でも、ジョスカン・デ・プレのスターバト・マーテルは傑作中の傑作です。この作品にはなんと世俗歌曲の旋律が軸として織り込まれています。聖母の苦しみに重ねられたのはどんな歌なのでしょう。

第3回(11/12) サンチェス(福島)
オペラが誕生し、通奏低音と共に独唱や重唱曲が盛んに作曲された時代、サンチェスはスターバト・マーテルをソプラノ独唱のために作曲しました。聖母マリアの悲しみに寄り添うような通奏低音による半音階のバッソ・オスティナートは、一度聴いたら忘れられないほど印象的です。

第4回(12/10) ドメニコ・スカルラッティ(福島)
ドメニコと言えば鍵盤楽器のための作曲家として知られていますが、イタリアで活動していた時期は教会のための作品を多く作曲していました。その中でも10声によるスターバト・マーテルはドメニコの宗教曲の中でも燦然と輝く傑作です。

第5回(1/21) アレッサンドロ・スカルラッティ(福島)
ドメニコの父アレッサンドロのスターバト・マーテルはソプラノとアルトの2重唱と弦楽器による作品。アレッサンドロ熟練の技が見事に発揮されている傑作のひとつ。様々なアイデアに溢れた曲想に、複雑な転調、オペラのようなレチタティーヴォや対位法的書法等々、必聴の1曲。

第6回(2/4) ペルゴレージ(対面:花井・福島)
スターバト・マーテルといえばこの作品!病弱であったペルゴレージが死の直前に書き終えたことで知られています。特に最後の「肉体が死を迎える時 Quando corpus morietur」はスターバト・マーテル史の中でも最も感動的な音楽のひとつです。実演を交えて各曲を解説します。

講師プロフィール

花井哲郎(はない・てつろう)
花井哲郎(はない・てつろう)

古楽演奏家(オルガン、チェンバロ、指揮、声楽)、教会音楽家。1996年に古楽声楽のスペシャリストによるア・カペラのグループ「ヴォーカル・アンサンブル カペラ」を結成、グレゴリオ聖歌とルネサンス音楽の演奏を続け、これまでにジョスカン・デ・プレのモテットを全曲演奏、またミサ曲全集などをCD録音する。2005年以来声楽と器楽による「古楽アンサンブル コントラポント」のリーダーとして主にバロック時代の宗教音楽を演奏、モンテヴェルディ「聖母の夕べの祈り」のライブ録音をリリース。フランス・バロック宗教音楽を専門とする「合唱団フォンス・フローリス」指揮者、また様々な古楽アンサンブル、合唱団の指揮、指導を行うほか、国立音楽大学で長年講師を務めた。「フォンス・フローリス古楽院」院長。

福島康晴(ふくしま・やすはる)
福島康晴(ふくしま・やすはる)

東京音楽大学大学院作曲科修了後バロック音楽に傾倒し、’06年よりイタリア・ミラノ市立音楽院古楽科にてルネッサンス・ポリフォニーをD.フラテッリ氏の下で学ぶ。また声楽をB.M.カゾーニ、V.マンノ、モンテヴェルディ周辺の音楽理論・演奏慣習をR.ジーニの各氏に師事。’09年にM.グランチーニ(1605-60)の論文とコンサートにより、最高点・褒賞付きで修了。’08年《ドン・ジョバンニ》が初演されたプラハのエステート劇場にてモンテヴェルディ《オルフェオ》の牧人役でデビュー。その後、イタリアの主要な古楽グループと共演を重ねる。帰国後、イタリア・バロック音楽を中心に演奏する古楽アンサンブル《エクス・ノーヴォ》を立ち上げ、主宰及び指揮者として活動。洗足学園音楽大学非常勤講師。日本イタリア古楽協会会長。

受講方法

※本講座は、Web会議システム「Zoom(ズーム)」を使ってオンラインで行います。
※第6回のみ対面とオンラインを併用して行います。
※講座の録画を受講者に配信いたしますので、当日欠席された場合でも後日視聴が可能です。
※お申し込み受付後、受講方法や資料に関するご案内メールをお送りします。
お申し込み後1週間以上経ってもメールが届かない場合は、お手数ですが事務局までお問い合わせください。