春期集中講座(この講座に限り入会金の必要はありません)
単旋律の聖歌「グレゴリオ聖歌」は、西洋音楽の源泉、宗教的な典礼のための音楽であるだけでなく、芸術性の高い歌曲でもあります。この2日間の講座では、全くの初心者のために四線譜、四角譜の読み方、教会旋法、ラテン語の発音、典礼の形式などから始め、グレゴリオ聖歌の基本を学びます。またザンクト・ガレン修道院の写本に記された10世紀の楽譜である古ネウマにも触れます。どなたでも受講できます。
15〜16世紀の音楽は、オリジナルの写本ではすべて計量記譜法によって記されています。現代の楽譜とは異なっていて、その解読はルネサンス音楽の理解に欠かせません。この2日間の講座では、計量記譜法の基礎からスタートして、簡単なポリフォニーの楽曲を大判楽譜「コワイヤブック」を使って歌うまでを目指します。合唱の心得がある方なら、どなたでも参加できます。
ソルミゼーション集中講座
ソルミゼーションと旋法・旋律論で蘇るルネサンスの旋律
ソルミゼーションの基礎を身につけ、合唱のレパートリーとして知られたルネサンス期の名曲(リクエスト歓迎)を実際にソルミゼーションで歌う講座です。ソルミゼーションは11世紀から、少なくとも17世紀半ば頃まで、あらゆる音楽家が基礎として学び実用していた「階名唱」で、「グイードの手」としても知られています。単に楽譜を読む手段に留まらず、昔の人が一つ一つの音をどう感じどうイメージしていたのかを知る重要な手がかりとなります。よくご存知の名曲もソルミゼーションで歌うことで、目から鱗が落ちたような新しい発見と感動があることでしょう。
「旋律論」の視点からルネサンス期の様々な合唱曲を歌い、とりわけ歌詞の表現と旋律との、想像を超える緊密な関係を楽しんで歌う講座です。旋律論とは、一般的には教会旋法や旋法と言われているものです。そこには「音階」「音域」「節回しや定形旋律」「旋法と言葉」「旋律の方向」「沢山出てくる音」など様々な側面があります。それは昔の人が旋律について感じていた豊かなヴォキャブラリーです。この旋律論を昔の人はソルミゼーションで語っています。ルネサンスの名曲もソルミゼーションによって歌い直してみると、耳慣れた旋律が歌詞と深く絶妙に結びついていることが分かるでしょう。
半期の入門講座
前期:4月18日、5月9日、6月27日、7月25日、8月29日
後期:9月19日、10月24日、11月21日、12月19日、1月23日前期、後期それぞれ
一般:20,000円 学生:14,000円
西洋音楽の源泉であり、芸術性、霊性に富んだ単旋律の聖歌、グレゴリオ聖歌を全くの基本から学びます。簡単な概説はしますが、主に実際にいろいろな曲を歌うことによって、その響きから聖歌に親しむ講座です。前期は様々な種類の聖歌を少しずつ一通り歌い、後期はミサのための聖歌に集中して練習します。演奏に際してザンクト・ガレン修道院の写本に記された10世紀の楽譜である古ネウマも参考にします。前期か後期のどちらかだけの受講もできます。発表会には参加しません。
前期:4月18日、5月9日、6月27日、7月25日、8月29日
後期:9月19日、10月24日、11月21日、12月19日、1月23日前期、後期それぞれ
一般:20,000円 学生:14,000円
ルネサンス音楽を、当時の楽譜で使われていた白色計量記譜法で歌う、初心者のための入門講座です。合唱団などでルネサンスの音楽は歌ったことはあるが、オリジナルの楽譜は使ったことのない方、古い音楽のア・カペラのアンサンブルは初めての方など歓迎です。前期はビクトリア Tomas Luis de Victoria、パレストリーナ Giovannni Pierluigi da Palestrina、後期はジョスカン・デ・プレ Josquin des Prez の作品を教材として学びます。前期か後期のどちらかだけの受講もできます。発表会には参加しません。
歌唱実践講座
5月2日、6月6日、7月4日、8月8日、9月12日、
10月17日、11月14日、12月12日、1月9日、1月30日一般:40,000円
学生:28,000円
教会旋法に基づく単旋律のグレゴリオ聖歌は、10世紀頃からネウマと呼ばれる楽譜に記されるようになりました。当時の聖歌隊が言葉の意味と抑揚を生かしながら表情豊かに歌っていたことが、このネウマからうかがい知れます。グレゴリオ聖歌なしに西欧音楽の展開は考えられない、基本中の基本です。そしてその演奏法に関する重要な手がかりであるネウマは、歌心そのものの基本を教えてくれます。この講座では一つ一つのネウマを実例に則して歌いながらじっくりと学んでいきます。
※テキストとして Graduale Triplex(7,000円程度)を使用します。古楽院でまとめて購入も可能です。購入を希望されるかどうか、お申込時にお知らせ下さい
5月2日、6月6日、7月4日、8月8日、9月12日、
10月17日、11月14日、12月12日、1月9日、1月30日一般:40,000円
学生:28,000円
宗教音楽の基礎であるグレゴリオ聖歌を、教会旋法と旋律の関係を探り、西欧最古の記譜である10世紀の古ネウマを解読し、歌詞の意味と典礼との関係を考えながら、歌っていきます。「聖母マリアのお告げ」のミサと聖務日課のための聖歌をすべて歌う予定です。随時説明はしていきますが、主にレパートリーを美しく歌うことを目指す実践講座です。グレゴリオ聖歌と古ネウマの初歩的な知識のある方が対象です。
5月2日、6月6日、7月4日、8月8日、9月12日、
10月17日、11月14日、12月12日、1月9日、1月30日一般:40,000円
学生:28,000円
5楽章からなる多声ミサ曲の形は15世紀にできあがり、特にフランス・フランドルの作曲家たちは多くのすぐれたミサ曲を生み出しました。この講座ではデュファイ Guillaume du Fay、レジス Johannes Regis、オケゲム Johannes Ockeghem が作曲したミサ《見よ、神のはしため》Missa Ecce ancilla Domini をとりあげ、ルネサンスの比較的初期に作られたミサ曲の美しさを味わいます。この3曲を比較しながら、それぞれの1楽章ずつを歌う予定です。二重唱、三重唱によるソリスティックなセクションも多く含まれます。計量記譜法によるコワイヤブックを用い、ルネサンスの旋律線をアンサンブルの中で繊細に美しく歌い上げる歌唱力を養うことを目指します。
5月16日、6月13日、7月18日、8月29日、9月26日、
10月31日、11月28日、12月19日、1月16日、2月6日 一般:40,000円
学生:28,000円
聖母崇敬は15、16世紀の宗教音楽「モテット」の最も好まれたテーマです。この講座では特に受胎告知の場面を描いた1500年前後フランス・フランドルのモテットを歌います。練習予定曲はジャン・ムトン「天使ガブリエルが遣わされ」(5声)Jean Mouton, Missus est Gabriel angelus、ジョスカン・デ・プレ「アヴェ・マリア」Josquin des Prez, Ave Maria.. benedicta tu などで、16世紀の計量記譜法によるコワイアブックを用います。ルネサンス時代フランス・フランドルの音楽、ア・カペラ・アンサンブルを学びたい方のための講座です。
5月16日、6月13日、7月18日、8月29日、9月26日、
10月31日、11月28日、12月19日、1月16日、2月6日 一般:40,000円
学生:28,000円
ミサの中で主に聖歌隊によって歌われるミサ固有唱には、グレゴリオ聖歌のレパートリーの中でも音楽的にも技術的にも高度で、素晴らしい作品が数多くあります。また、聖歌を元にして様々なルネサンス・ポリフォニーが作曲されました。この総合講座ではまず聖歌を、典礼、旋法、一つ一つの古ネウマなどに関して学びながら、実際に歌って練習します。それに加えて同じ聖歌をポリフォニーとして作曲されたモテットを、計量記譜法によるオリジナルの写本や印刷譜を使って歌います。取り組む作品はイザーク Heinrich Isaacの作品集『コラーリス・コンスタンティヌス』Choralis Constantinusから「聖母マリアのお告げ」のミサ固有唱です。
4月26日、5月17日、6月14日、7月19日、8月30日、
9月27日、10月18日、11月15日、12月20日、1月31日
一般:40,000円
学生:28,000円
12・13世紀のフランスでは、ミサ閉祭の言葉「イテ・ミッサ・エスト」 Ite missa est(さあ、行きましょう)の代わりに「べネディカムス・ドミノ」Benedicamus Domino(主をほめたたえよう)が、単旋律の聖歌でよく歌われていました。そして、さらにそれを多声楽曲(ポリフォニー)にした、オルガヌム声部付き、またトロープス(挿入句)付きの楽譜が、当時の写本にたくさん収められています。今回はその中でも特に長大で手の込んだ 「祝福された者へと私たちを招き入れてください/主をほめたたえよう」"Beatis nos adhibe/Benedicamus Domino" を中心に取り上げます。引き伸ばされた「べネディカムス」のメロディーの上に、2声の散文詩(プローザ)がつけられたこの曲の構造を学び理解した上で、協和音程と呼ばれる 1度・4度・5度・8度の響きをしっかり耳で捉え、他の声部に反応しながら歌えることを目標に講座を進めていきます。
水曜日:3月4日、4月1日、5月13日、6月3日、7月1日
木曜日:3月5日、4月2日、5月14日、6月4日、7月2日 受講料(前期全5回/一人につき)
個人 35,000円、2人 25,000円、
3人 20,000円
いわゆる声を開発する独唱のボイストレーニングではなく、アンサンブル、合唱の中での発声のあり方を考え、試みる時間です。発声は指導者の数だけあるといっても過言ではありません。指導者が違えば要求される発声、正しい発声、価値観も違ってきます。この中で最大公約数的に妥当する発声を目指します。また聖歌隊など短い時間でのウォーミングアップが必要とされる場合の方法等、あくまでもレベルに合わせた「実践可能」なことを行います。初心者から指導の立場にある方まで、最長で4期まで連続で受講が可能です。2人から3人のグループ受講が基本ですが、個人レッスンも受け付けます。1回40分、半期全5回、通年で全10回のレッスンです。後期については改めて募集があります。
4月18日、5月16日、6月27日、7月18日、8月29日、
9月19日、10月31日、11月21日、12月19日、1月23日 一般:35,000円
学生:25,000円
ルネサンス音楽、主に15世紀の音楽史を学ぶ講座です。基本は英語による音楽史の著作 Reinhard Strohm 著 "The Rise of European Music:1380-1500" (約15,000円) を教科書として、花井が講読していきます。そして3回に1回程は、教科書で学んだことをふまえて、遠藤が理解を助け深める補足的講義を行います。楽譜を見ながら曲を理解したり音源を聴いたりもしながら、多角的にアプローチします。このテキストを用いての講義は今年で2年目となり、コンスタンツ公会議を扱った章から読み始めます。ご希望の方はテキストをお買い求め頂けますが、テキストなしでも十分理解できます。楽譜等は適宜配布します。
受講料(茶菓代含む)
1回ごと 一般:4,000円 学生:2,800円、全6回通し 一般:20,000円 学生:14,000円
西洋音楽史のなかでもとても特徴ある「フランス・バロック」の魅力あふれる世界を、スペシャリストが楽しくお話する連続講座です!
2015年は、フランス・バロック・オペラを取り上げて、DVDやCDなどの映像や音源を用いながら、その変遷をたどっていきます。フランス・バロック・オペラは、美しいフランス語の歌と活気あふれるバレエ音楽が結びついた驚異の世界です。代表的な作品については、背景や見どころなどを解説した後に、ハイライトをじっくりと鑑賞していきます。
各回ごとの受講も可能です。また講義後には、ワインや茶菓とともに歓談をお楽しみいただけます。
第1回 「サンジェルマンの森の妖精たち」 〜宮廷バレエの世界〜
第2回 映画「王は踊る」 〜オペラの誕生〜
第3回 リュリ「ベレロフォン」〜ルイ14世時代のオペラ〜
第4回 シャルパンティエ「メデ」〜カンプラとともに〜
第5回 ラモー「舞踏教師」〜牧歌劇とバレエ〜
第6回 マリー・アントワネットの小劇場 〜国際的なオペラ〜
複数講座を受講して理解を深めましょう
各講座はそれぞれ単独で受講できますが、組み合わせて受講するとそれぞれが補い合って、一層理解を深めることができます。通年の講座(歌唱実践講座、講義)については、複数講座受講の場合は二つ目から一講座に付き5,000円ずつ割引になります。また、学生のための割引料金を設定していますので、ご相談ください(学生料金に複数割引はありません)。
組み合わせ推奨例
ネウマを徹底的に理解した上で、いろいろな聖歌を歌うことができます
[G2]さまざまな聖歌を歌う+[R1]15世紀のミサ曲
ポリフォニーとその基本である単旋律聖歌両方に取り組むことで、旋法的な音楽に特有の演奏法を学ぶことができます
[Lh]ルネサンス音楽の曙+[R1]15世紀のミサ曲あるいは[R2]聖母のモテット
歌うだけでなく、歴史、背景などの知識を得ることで音楽理解の幅がぐんと広がります。特に本年度はルネサンス音楽1の範囲の音楽史を講義で扱う予定です
歌唱実践講座では
●日本を代表するルネサンス音楽スペシャリスト花井哲郎の指導を直に受けられます!
●花井門下の有能なアシスタントによる丁寧な復習・練習を通して、学んだことを反芻します
●さらに不安な場合、また発声などを含めて深く学びたい方には、安邨講師によるフォローアップ講座があります。日時は相談の上、個人的にあるいは小グループで受講することができます
受講料(90分、一人あたり):個人で受講 5,000円、2人グループ 4,000円、3人グループ 3,000円、4人以上 2,000円
●各講座は毎月1回連続して行われ、継続的に、着実に学んでいけます
●2月の発表会は、いろいろな講座、アンサンブル、合唱団などが一堂に会し、楽しく賑やかに行われます!
どれを受講すればいいか迷った場合
◆古楽院は初めてで興味はあるが、1年通してやる勇気がない... →半期の入門講座
◆計量記譜法は初めてだけどぜひ通年講座で歌いたい、でも春期講座に出られない... →ご相談ください!
◆古楽院は初めてじゃないけど、もう一度基礎からやり直したい→半期の入門講座も受講できます
◆歌わないけど音楽の勉強はしたい→音楽史講義
夏期合宿
8月13日(木)14:00集合、14日(金)、15日(土)13:00解散
受講料 15,000円
食事・宿泊費 実費(2泊3日で約20,000円)
長野県原村の静かで美しい森の中にある、響きの良い木造の教会(八ヶ岳中央高原キリスト教会)で、グレゴリオ聖歌を学び歌う3日間の合宿を行います。各日最後には終課(寝る前の祈り)を歌います。3日目最終日は富士見にあるベネディクト会修道院の御ミサで、練習した曲を奉唱します。聖母被昇天のミサを歌う予定です。宿泊は教会近くのペンションで、夜の懇親会では受講生と講師も交えて楽しい親睦の時を持ちます。通常の講座とはまた違った環境で、共同生活の中で育まれてきた聖歌の原点に触れ、実際の典礼の中で歌うことで、聖歌の理解を深めることができる素晴らしい機会です。
古楽院講座とは別に花井哲郎による専門家のための講座が毎月行われています。興味のある方は古楽院(窪田 m-kubota@fonsfloris.com)までお問い合わせください。
計歌会
古楽演奏家、あるいは古楽に関心のある音楽家のための講座です。ルネサンス時代のさまざまな音楽を計量記譜の楽譜で歌っています。2015年はブルゴーニュ・シャンソンを中心に取り組む予定です。
FF古楽道場
主に音楽大学声楽科学生、あるいは卒業生して間もない声楽家のための講座です。グレゴリオ聖歌を学び、ルネサンス時代のさまざまな音楽を計量記譜の楽譜で歌っています。現在は2015年11月の発表を目指してオケゲムのレクィエムを練習しています。
申し込みにあたっては、下の申込必要事項を窪田(m-kubota@fonsfloris.com)までお知らせ下さい。折り返し申込受付の確認と、受講料の支払方法など詳細をご連絡いたします。
受講料の学生割引、分割払い、その他お問い合わせについても窪田宛にお知らせください。
定員に達し次第、募集を締め切らせて頂きます。
1. 申込日
2. お名前、ご住所、電話番号、メールアドレス
3. 古楽院受講は(初めて/過去に受講経験あり)
4. 受講希望講座、講義名
※「ルネサンス音楽」「総合講座」はパート名も
5. 備考
・初めて受講される方は、音楽歴をお書きください。
・発声講座グループ受講の方はメンバーの氏名をお書きください